近年、内視鏡診断の進歩により
早期の胃がんが発見されることが
多くなりました。
早期の胃がんでは
開腹手術よりも侵襲の少ない
内視鏡によるがん組織の切除が
行われることが多くなっています。
特に、ここ数年では
ITナイフ(insulated-tipped diathermic knife)
という新しい器具の普及により、がんの取り残しも少なくなり
数年前までは開腹手術で胃を摘出していたような胃がんでも
内視鏡手術で処置できるケースが増えています。
以前の胃がんの内視鏡手術は、がん組織の根元に
ワイヤーをひっかけて焼き切るEMR(内視鏡的粘膜切除術)が
殆どでしたが、がんの病巣が大きいと取りきれなかったり
再発の恐れが多くありました。
現在ではESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)という
病変部を浮かせてはぎ取る方法が殆どとなっています。
ESDが可能となったのは、ITナイフの開発です。
ITナイフは国立がんセンター中央病院の医師らが開発した
先端に絶縁体のセラミックチップを装着した処置具です。
1996年に臨床応用され、昨年5月に製品化されました。
ITナイフは、高周波でがんの周囲を焼き切る点は
EMRと同じですが、ナイフが針状となっています。
ワイヤの輪の大きさに左右されるEMRに比べ、切除範囲は広がります。
最近、開発されたITナイフ2は、絶縁体の内側に
新たに刃を3本付けて横方向にもスムーズに切れるようになっています。
EMRのメリットは胃がん手術の後の後遺症ともいえる
冷や汗や動悸といった「ダンピング症候群」の心配が殆どないことと
入院日数も平均5〜6日で済むということです。
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